2023.09.19

【 写真教室tsunagu】1期生web写真展

1年間で学ぶ写真教室に参加いただいた
1期生が最終課題として自由テーマで撮影をしました。
それぞれの世界をぜひご覧ください。

『心の陰』
チェーンを握る掌が鉄くさくなることなど
臆さずに漕ぎ続けたブランコ。
視界では見慣れた公園の景色が上下していく。
頬を往復する風。
着地に失敗してできた膝の傷。
謎の達成感に包まれて母の待つ家へ帰る。
そして公園の主人公は自分から息子へ。
背中を押してと頼まれ、
スピードが付きすぎると中止命令が出され、
ブランコに飽きて次はすべりだいへ行くと言う。
そんな息子に振り回される日々も
あっという間に終わってしまい、
自分の帰りを待っていてくれた母はもうこの世にいない。
始まりがあれば終わりがあるなんてことは
往々にしてわかっているのだが、
昔を振り返ると散じたものの方が
多い気がして思い煩ってしまう。
もう手に入ることはない。
だからこそ愛おしいのだとシャッターを切る。
朽ちた樹が、落ちた花が、差し込む光が、
通り抜けた時間が、娯楽の結末が、迷う楽しみが、
引き取る息が、残った骨が、刹那の友情が、
あまり先の明るくない未来の糧となればと
自分のための瞬間を切り取っていく。
私の心の陰を供覧していただきありがとうございます。
Instagram : @10yucca29

 

私がカメラを始めたきっかけも、
写真を好きになったきっかけも
被写体である彼女が
私の写真を好きだと言ってくれたからでした。
初めての写真展も彼女を被写体にしたかったからです。
『彼女の魅力は私しか撮れない』
私が撮る人は魅力的なんだと伝わって欲しいです。
Instagram : @163nphoto

 

写真はわたしに生の実感を与えてくれる。
なぜ今ここに生かされているのかという、
答えのない問いに微かな光をあててくれるのだ。
それは、ある1枚の写真がきっかけだった。
何の変哲もない写真。
「つまらない」と思いながら
シャッターを切ったことを覚えている。
しかし、気付けばプリントをして眺めていると、
どんどんと惹かれていく自分がいた。
写真と自分自身が一体化したかのような
不思議な感覚だった。
もっとその繋がりを確かめたくて、
2021年から2023年の間、
何枚も何枚も撮影してはプリントを繰り返してきた。
そして今、いい予感も悪い予感もしている自分がいる。
ただ少なくとも、常にわたしたちは、
日常と非日常を行き来している存在なのかもしれない、
そう感じるようになっていた。
髙松光  Instagram : @highpine_63


 


T A K A R A M O N O A T S U M E

今、この瞬間。
私の目の前にある景色は。
きっといつかカタチを変えてしまう。
大人になると毎日が慌ただしくて
駆け足で過ぎ去っていく日々に
ただただ、しがみついていくのに必死で
変化に鈍感になっていることに寂しさを覚える。
道端の野草でつくった押し花の栞。
海辺で拾ったころんとしたシーグラス。
小さい頃、宝物みたいな気持ちで
集めていたあの時の気持ちのまま。
ココロに響いたこの”イマ”を。
確かに感じた愛おしさを。
だいじに拾い集めるために
きっと私は写真を続けているのだろう。
YUI |木曜日のピスタチオ
Instagram : @thu_pistachio

 

「目を瞑る」
好きだった家がなくなった。
私が住んでいるわけでもないけど
私の心の拠り所。
大事なところは私の目で残したい。

instagram : @01m24_


 

花と女の子はよく似ている。
美しく咲く今を
今後も記憶に残したい。
hira
instagram : @hiratophoto